育休中のお金は、出産前に想像している以上に不安になりやすいテーマです。
毎月の給与がそのまま入るわけではなくなり、赤ちゃん用品、ミルク代、おむつ代、医療費、保険、家賃や住宅ローンなど、支出はむしろ増えやすくなります。
さらに、育児休業給付金は給与とは違い、支給までに時間差が出ることもあります。
「育休中はどれくらいもらえるのか」
「給付金だけで生活できるのか」
「貯金はいくら残しておくべきか」
「復職までに何を見直せばよいのか」
このあたりが見えないと、家計の不安は大きくなりやすいです。
結論から言うと、育休中のお金は給付金の金額だけで判断せず、支給までのタイムラグ・固定費・赤ちゃん関連の支出をセットで確認することが大切です。
この記事では、育休中にもらえる主な給付金、収入が減る時期の考え方、支出見直しのポイント、夫婦で話しておきたいことを整理します。
育休中のお金で最初に確認したいこと
育休中のお金を考える時は、いきなり節約から始めるより、まず全体像を見える化することが大切です。
特に確認したいのは、次の4つです。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 育休中の収入 | 育児休業給付金、出生時育児休業給付金、児童手当など |
| 支給までの時期 | 給付金がいつ振り込まれるか、給与がない月があるか |
| 毎月の固定費 | 家賃、住宅ローン、保険、通信費、車、サブスクなど |
| 赤ちゃん関連の支出 | おむつ、ミルク、服、ベビーカー、医療費、保育園準備など |
育休中は、収入が減る一方で支出が増えやすい時期です。
そのため、毎月の赤字額がどれくらいになるかを先に把握しておくと、必要な貯金額や見直すべき支出が見えやすくなります。
育児休業給付金はいくらもらえる?
育休中の中心になるのが、雇用保険から支給される育児休業給付金です。
厚生労働省のQ&Aでは、育児休業給付の1支給単位期間ごとの給付額は、休業開始時賃金日額に支給日数をかけ、育休開始から180日目までは67%、181日目以降は50%で計算するとされています。
| 期間 | 給付率の目安 |
|---|---|
| 育休開始から180日目まで | 休業開始前賃金の67%相当 |
| 181日目以降 | 休業開始前賃金の50%相当 |
たとえば、育休前の月収が30万円の場合、単純計算では最初の180日間は月20万円前後、181日目以降は月15万円前後が目安になります。
ただし、実際の金額には上限・下限があり、賃金の支払い状況や休業日数によっても変わります。
「給与の67%が毎月同じ日に入る」と思い込まないことが大切です。
育休中に手取りが減る理由
育児休業給付金は、給与とは別の制度です。
そのため、働いている時と同じ感覚で家計を組むと、思ったより苦しく感じることがあります。
育休中に手取り感が減る主な理由は、次の通りです。
- 給付金は給与満額ではない
- 支給までに時間差が出ることがある
- ボーナスが減る、または出ない場合がある
- 会社からの給与支給が止まる場合がある
- 赤ちゃん関連の支出が増える
一方で、育休中は社会保険料が免除される場合があります。
日本年金機構では、育児休業等期間中の厚生年金保険料・健康保険料は、事業主の申出により被保険者負担分・事業主負担分ともに免除されると案内されています。
社会保険料の免除は家計にとって大きな助けになりますが、すべての支出がなくなるわけではありません。
出生時育児休業給付金と出生後休業支援給付金
父親が産後すぐに育休を取る場合は、出生時育児休業給付金の対象になることがあります。
また、2025年4月からは、一定の要件を満たす場合に出生後休業支援給付金も創設されています。
厚生労働省の資料では、出生時育児休業給付金に加え、出生後休業支援給付金として休業開始時賃金日額に支給日数をかけた13%相当が支給される仕組みが示されています。
| 制度 | 主な内容 |
|---|---|
| 出生時育児休業給付金 | 子の出生後8週間以内の産後パパ育休などに関係する給付 |
| 出生後休業支援給付金 | 一定要件を満たす場合に、給付率を実質的に引き上げる制度 |
制度は勤務先や雇用保険の加入状況、休業の取り方によって変わります。
夫婦で育休を取る場合は、会社の人事・労務担当やハローワークの案内を確認しておくと安心です。
育休中に使えるお金は給付金だけではない
育休中の家計を考える時は、育児休業給付金だけでなく、出産や子育てに関する制度も合わせて確認しましょう。
- 出産育児一時金
- 出産手当金
- 育児休業給付金
- 出生時育児休業給付金
- 出生後休業支援給付金
- 児童手当
- 自治体独自の子育て支援
出産育児一時金は、原則として子ども1人につき50万円です。
児童手当は、2026年時点では0歳から高校生年代までが対象で、3歳未満は月15,000円、第3子以降は月30,000円などの支給額が設定されています。
制度は複数あるため、「いつ・いくら・どこから入るのか」を一覧にしておくと家計管理がしやすくなります。
育休中に増えやすい支出
育休中は、外食や通勤費が減る一方で、赤ちゃん関連の支出が増えます。
特に最初の数か月は、必要なものを一気にそろえるため、想像以上に出費が重なります。
| 支出 | 内容 |
|---|---|
| おむつ・おしりふき | 毎月継続してかかる |
| ミルク・哺乳瓶 | 母乳・混合・ミルク育児で変わる |
| ベビー用品 | ベビーカー、抱っこ紐、チャイルドシートなど |
| 衣類 | サイズアウトが早い |
| 医療・予防接種関連 | 自治体助成の有無を確認 |
| 保育園準備 | 復職前にまとまった支出になりやすい |
赤ちゃん用品は、すべて新品でそろえる必要はありません。
レンタル、中古、親族からのお下がり、必要になってから買う方法もあります。
最初から完璧にそろえようとすると、使わなかったものまで買ってしまうことがあります。
育休前に見直したい固定費
育休中のお金が不安な場合、まず見直したいのは固定費です。
食費や日用品費を細かく削るより、毎月自動で出ていく支出を見直すほうが効果が続きやすいです。
- スマホ料金
- インターネット回線
- 保険料
- サブスク
- 車の維持費
- クレジットカード年会費
- 使っていない会員サービス
たとえば、月5,000円の固定費を減らせれば、年間6万円の余裕になります。
育休中だけでなく、復職後の家計にも効果が残ります。
育休中の節約は、我慢よりも固定費の整理から始めるのがおすすめです。
育休中の家計管理は別口座で考える
育休中は、収入のタイミングがずれやすいため、生活費口座と貯金口座を分けておくと管理しやすくなります。
おすすめは、次のように分ける方法です。
- 生活費口座
- 給付金受取口座
- 子ども用貯金口座
- 緊急費用口座
すべてを細かく分ける必要はありません。
ただ、育児休業給付金や児童手当が入った時に、そのまま生活費に混ざると使い道が見えにくくなります。
「このお金は生活費」「これは子どもの将来費用」と分けておくと、夫婦でも共有しやすくなります。
夫婦で話し合っておきたいこと
育休中のお金は、片方だけが把握していると不安が大きくなります。
収入が減る時期だからこそ、夫婦で家計の見通しを共有しておくことが大切です。
- 育休中の毎月の収入見込み
- 給付金が入るまでの生活費
- 赤ちゃん用品に使える予算
- 復職時期
- 保育園に入れなかった場合の対応
- 片方だけに家計管理を任せすぎていないか
お金の話は、どうしても現実的で重く感じます。
ただ、早めに共有しておくほど、あとから「聞いていない」「こんなに減ると思わなかった」というズレを防ぎやすくなります。
育休中のお金が足りないと感じた時の考え方
育休中にお金が足りないと感じることは、珍しくありません。
収入が下がり、支出が増える時期なので、不安になるのは自然です。
まずは、次の順番で整理しましょう。
- 毎月の赤字額を確認する
- 給付金の入金予定を確認する
- 固定費を見直す
- 一時的に貯金を使う期間を決める
- 自治体の支援制度を確認する
- 復職時期や働き方を家族で話す
一番避けたいのは、不安なままクレジットカードやリボ払いでその場をしのぐことです。
どうしても厳しい場合は、自治体の相談窓口や勤務先の制度、家族の支援も含めて早めに確認しましょう。
参考記事・出典
- 厚生労働省「Q&A~育児休業等給付」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158500.html - 厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001461102.pdf - 日本年金機構「育児休業等期間中の社会保険料免除」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/menjo/ikuji-menjo/20150407.html - ファミログ「児童手当は2026年いくらもらえる?支給額・対象年齢・申請方法を解説」
https://familog-app.com/child-allowance/ - ファミログ「教育費はいくらかかる?幼稚園から大学までの目安一覧」
https://familog-app.com/education-cost/
まとめ
育休中のお金は、給付金の金額だけを見ても不安が残りやすいテーマです。
育児休業給付金は、育休開始から180日目までは休業開始前賃金の67%、181日目以降は50%が目安です。
ただし、支給までのタイムラグや、赤ちゃん関連の支出、固定費の負担も合わせて考える必要があります。
育休前後は、生活費、固定費、給付金、児童手当、貯金を見える化しておくと安心です。
育休中のお金は「節約だけ」で乗り切るのではなく、制度の確認と支出の整理をセットで考えることが大切です。
家族で早めに話し合い、無理のない家計の形を作っていきましょう。
この記事の振り返りFAQ
育休中はいくらくらいもらえますか?
育児休業給付金は、育休開始から180日目までは休業開始前賃金の67%、181日目以降は50%が目安です。ただし、上限・下限や支給条件があります。
育休中のお金で一番注意することは何ですか?
給付金の支給までにタイムラグがあることです。給与が入らない期間が出る可能性があるため、生活費を数か月分用意しておくと安心です。
育休中に社会保険料はかかりますか?
一定の条件を満たす場合、育児休業等期間中の厚生年金保険料や健康保険料は免除されます。勤務先や日本年金機構の案内を確認しましょう。
育休中の家計見直しは何から始めるべきですか?
まずは固定費の見直しがおすすめです。スマホ料金、保険、サブスク、車関連費など、毎月自動で出ていく支出を整理しましょう。
育休中にお金が足りない時はどうすればよいですか?
毎月の赤字額、給付金の入金予定、貯金残高を整理し、固定費の見直しや自治体の支援制度を確認しましょう。早めに家族や勤務先へ相談することも大切です。