しつけ・教育

子どもが言うことを聞かない時の対応|叱り方より大切な声かけのコツ

子どもが言うことを聞かない時、親はどうしても焦ってしまいます。

「何回言ったら分かるの?」

「早くして」

「どうして約束を守れないの?」

そんな言葉が、つい口から出てしまうこともあると思います。

親も疲れるし、子どもも不機嫌になる。

強く叱ったその場では動いてくれても、次の日にはまた同じことが起きる。

そうなると、親は「もっと厳しく言わないと伝わらないのかな」と感じてしまいます。

ただ、子どもが言うことを聞かない時に本当に必要なのは、叱る強さを上げることではありません。

結論から言うと、子どもが言うことを聞かない時は、叱り方を強くするより、子どもが動きやすい伝え方と環境を整えることが大切です。

子どもは、親を困らせたくて言うことを聞かないとは限りません。

まだ切り替えが苦手だったり、言葉の意味を理解できていなかったり、やりたくない理由をうまく説明できなかったりすることがあります。

この記事では、子どもが言うことを聞かない理由、叱る前に確認したいこと、親が避けたい声かけ、年齢別の対応、家庭ルールの作り方、相談先までわかりやすく解説します。

子どもが言うことを聞かないのはなぜ?

子どもが言うことを聞かない時、親は「わざと無視している」「反抗している」と感じることがあります。

もちろん、年齢によっては反抗心や自立心が関係している場合もあります。

ただ、すべてを反抗と決めつけると、対応を間違えやすくなります。

子どもが親の言葉通りに動けない理由には、いくつかのパターンがあります。

  • 今していることをやめたくない
    遊び、動画、ゲーム、工作などに集中している時は、急に切り替えるのが難しいことがあります。
  • 何をすればいいか分かっていない
    「ちゃんとして」「早くして」だけでは、具体的な行動が伝わっていない場合があります。
  • 疲れている・眠い・お腹が空いている
    体調や生活リズムが乱れていると、いつもならできることも難しくなります。
  • 親に気持ちを分かってほしい
    言うことを聞かない態度の裏に、不満、寂しさ、不安が隠れていることもあります。
  • 自分で決めたい気持ちが強くなっている
    成長とともに、親の指示ではなく自分で選びたい気持ちが出てきます。

たとえば、子どもが片付けをしない時も、「片付けが嫌い」だけが理由とは限りません。

おもちゃが多すぎてどこから始めればいいか分からない。

遊びの途中で、まだ終わりにしたくない。

片付ける場所が決まっていない。

親の「片付けて」という言葉が、子どもには大きすぎる指示になっていることもあります。

子どもが言うことを聞かない時は、性格の問題と決めつける前に、状況・伝え方・生活リズム・環境を確認することが大切です。

叱る前に確認したい3つのこと

子どもが言うことを聞かない時、すぐに叱る前に確認したいことがあります。

それは、子どもが「聞いていない」のか、「分かっていない」のか、「分かっているけれど動けない」のかです。

状態子どもの様子親の対応
聞いていない遊びや動画に集中していて反応がない近くに行き、名前を呼んでから伝える
分かっていない返事はするが行動が違うやることを一つずつ具体的に伝える
動けない不機嫌、泣く、怒る、黙る気持ちを受け止めてから選択肢を出す

たとえば「早くして」と言っても、子どもには何を急げばいいのか分からないことがあります。

着替えなのか、歯みがきなのか、ランドセルの準備なのか。

親の頭の中では分かっていても、子どもには伝わっていないことがあります。

その場合は、「靴下をはこう」「水筒をランドセルに入れよう」のように、今することを一つに絞ると動きやすくなります。

叱る前に、子どもが次に何をすればよいか分かる言葉になっているかを確認することが大切です。

親が避けたい声かけ

子どもが言うことを聞かない時、親も疲れています。

余裕がない時ほど、強い言葉が出やすくなります。

ただ、次のような声かけは、子どもの行動を変えるよりも、親子関係を悪くしてしまうことがあります。

  • 「何回言ったら分かるの?」
  • 「いい加減にしなさい」
  • 「そんな子は知らない」
  • 「お兄ちゃん・お姉ちゃんはできるのに」
  • 「言うことを聞かないならもう買ってあげない」
  • 「泣くなら勝手にしなさい」

これらの言葉は、親の怒りや不安から出るものです。

ただ、子どもにとっては「自分はダメなんだ」「分かってもらえない」と感じるきっかけになります。

特に、人格を否定する言葉や、きょうだい・友達と比べる言葉は避けたいところです。

こども家庭庁も、体罰等によらない子育てを推進しており、しつけと体罰は違うものとして案内しています。

叱ること自体がすべて悪いわけではありません。

大切なのは、子どもを傷つけるためではなく、次にどうすればよいかを伝えるために声をかけることです。

伝わりやすい声かけの基本

子どもに伝わりやすい声かけには、いくつかの共通点があります。

ポイントは、短く、具体的に、今やることだけを伝えることです。

伝え方避けたい例言い換え例
短く伝える「いつも言ってるでしょ。なんで毎回できないの?」「靴をそろえよう」
具体的に伝える「ちゃんとして」「ランドセルを机の横に置いてね」
選択肢を出す「今すぐやりなさい」「先に歯みがきする?パジャマに着替える?」
気持ちを受け止める「泣いても無駄」「まだ遊びたかったんだね。でも次はお風呂だよ」

子どもは、長い説教よりも、短い言葉の方が理解しやすいです。

また、「やめなさい」だけでは何をすればよいか分かりにくいため、「代わりに何をするか」まで伝えると行動につながりやすくなります。

たとえば、走ってほしくない時は「走らないで」よりも「歩こう」の方が具体的です。

ソファで飛び跳ねている時は「やめなさい」だけでなく、「座って使おう」「ジャンプは床でしよう」と伝えると、次の行動が見えます。

子どもに伝える時は、禁止だけで終わらせず、代わりの行動をセットで伝えると分かりやすくなります。

年齢別に見る対応の考え方

子どもが言うことを聞かない理由は、年齢によっても変わります。

同じ「片付けない」でも、未就学児と小学生、中学生では背景が違います。

年齢起こりやすいこと対応のポイント
幼児期気持ちの切り替えが苦手。イヤイヤやこだわりが出やすい選択肢を少なくし、次の行動を短く伝える
小学校低学年約束を忘れる。楽しいことを優先しやすい見える場所にルールを書き、できたことを認める
小学校高学年自分の考えが強くなり、親の指示に反発する理由を説明し、本人の意見も聞く
中学生以降自立心が強くなり、命令口調に反発しやすい管理しすぎず、ルールと責任を一緒に決める

年齢が上がるほど、親の一方的な指示は通りにくくなります。

小さい頃は「やりなさい」で動いていた子も、成長すると「なぜそれをする必要があるのか」を求めるようになります。

これは反抗だけでなく、自分で考える力が育っている証でもあります。

成長に合わせて、親の声かけも「命令」から「相談」へ変えていくことが大切です。

家庭ルールは親子で決める

子どもが言うことを聞かない場面では、ルールが曖昧なこともあります。

たとえば、ゲームの時間、寝る時間、宿題のタイミング、スマホの使い方、片付けの範囲などです。

親は「普通はこうするもの」と思っていても、子どもはルールとして理解していないことがあります。

家庭ルールを作る時は、次の4つを決めておくと揉めにくくなります。

  • 何をするか
    例:ゲームは1日60分まで
  • いつするか
    例:宿題が終わってから遊ぶ
  • 例外はあるか
    例:休日は30分追加してよい
  • 守れなかった時どうするか
    例:翌日はゲーム時間を短くする

ルールは親が一方的に決めるより、子どもと一緒に確認した方が守りやすくなります。

特に小学生以上なら、「どうしたら守れそう?」と聞いてみるのも有効です。

子ども自身が決めたルールは、親に押し付けられたルールよりも受け入れやすくなります。

ただし、子どもにすべて任せる必要はありません。

安全、睡眠、健康、学校生活に関わることは、親が守るべき枠を作ることも必要です。

家庭ルールは、子どもを縛るためではなく、親子の衝突を減らすための共通ルールとして作りましょう。

言うことを聞かない時の場面別対応

毎日の生活で、親子がぶつかりやすい場面はある程度決まっています。

よくある場面ごとに、対応を整理しておきましょう。

場面よくある困りごと対応のコツ
朝の支度着替えない、動きが遅い前日に準備し、朝はやることを減らす
宿題後回しにする、集中しない開始時間を決め、最初の5分だけ一緒に始める
片付けおもちゃや持ち物を放置する「全部片付けて」ではなく場所ごとに分ける
ゲーム・動画やめられない、時間を守らない終わる5分前に予告し、次の行動を決めておく
寝る前遊び続ける、布団に入らない毎日の流れを固定し、寝る前の刺激を減らす

子どもが言うことを聞かない場面では、「その場で叱る」だけだと毎回同じことが起こりやすいです。

朝が苦手なら前日に準備する。

ゲームをやめられないなら終わる時間を先に決める。

片付けが苦手なら収納場所を分かりやすくする。

このように、子どもの努力だけに頼らず、環境を変えることも大切です。

怒鳴ってしまった後の対応

どれだけ気をつけていても、親が怒鳴ってしまうことはあります。

仕事や家事で疲れている時、同じ注意を何度もしている時、時間に追われている時は、感情的になりやすいものです。

大切なのは、怒鳴ってしまった後にどうするかです。

親が落ち着いたら、子どもに短く伝え直しましょう。

  • 「大きな声を出してごめんね」
  • 「伝えたかったのは、片付けをしてほしいということだったよ」
  • 「次はどうしたらできそうか一緒に考えよう」

親が謝ると、子どもになめられるのではと心配になる人もいるかもしれません。

でも、謝ることは親の立場を弱くすることではありません。

むしろ、間違えた時に謝る姿を見せることで、子どもも自分の行動を振り返りやすくなります。

親も完璧でなくてよい。大切なのは、ぶつかった後に関係を修復することです。

「ほめる」は結果より行動を見る

子どもが言うことを聞かない時ほど、できていない部分ばかり目につきます。

でも、子どもを動かすには、叱るだけでなく、できたことを具体的に認めることも大切です。

ただし、「えらいね」「すごいね」だけでは、何が良かったのか伝わりにくいことがあります。

ほめる時は、結果よりも行動を見ます。

曖昧なほめ方具体的なほめ方
えらいね言われる前にランドセルを置けたね
すごいねゲームを時間で終われたね
いい子だね妹に順番をゆずれたね
ちゃんとできたね歯みがきの後にコップを戻せたね

子どもは、具体的に認められると「次もこれをすればいいんだ」と分かりやすくなります。

注意は短く、認める時は具体的にを意識すると、親子の会話が少し変わります。

親の余裕がない時は対応を小さくする

子どもが言うことを聞かない時、親の余裕も大きく関係します。

寝不足、仕事の疲れ、家事の負担、きょうだい育児、介護、夫婦関係のストレス。

親の心に余裕がないと、いつもなら流せることにも強く反応してしまいます。

そんな時は、完璧なしつけを目指さなくて大丈夫です。

  • 今日は最低限のことだけ伝える
  • 命に関わらないことは一度流す
  • 長い説教をしない
  • その場を離れて深呼吸する
  • 家族や外部サービスに頼る

親が限界の状態で、子どもに冷静に向き合うのは難しいです。

子どもの対応を考える前に、親自身が休める仕組みも必要です。

こども家庭庁の資料でも、体罰等によらない子育ては保護者だけに責任を求めるものではなく、社会全体で支えることが大切だとされています。

相談した方がよいケース

子どもが言うことを聞かない状態が続く場合、家庭だけで抱え込まないことも大切です。

特に次のような場合は、学校や相談窓口、専門機関に相談してもよいタイミングです。

  • 親子の衝突が毎日のように続いている
  • 子どもが強い不安や怒りを見せる
  • 暴言や暴力が増えている
  • 学校生活にも支障が出ている
  • 不登校や登校しぶりがある
  • 親が自分の怒りを抑えられない
  • 子どもを傷つけそうで怖い

相談することは、親として失敗したという意味ではありません。

家庭だけでは見えない視点を借りるための方法です。

学校の先生、スクールカウンセラー、自治体の子育て相談、児童相談所、医療機関など、相談先はいくつかあります。

虐待かもしれない、子どもを傷つけてしまいそうという不安がある場合は、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」に相談することもできます。

家庭で今日からできる小さな工夫

子どもが言うことを聞かない時の対応は、一気に変えようとすると続きません。

まずは、今日からできる小さな工夫を一つだけ選んでみましょう。

  1. 子どもの名前を呼んで目線を合わせてから話す
  2. 「早くして」ではなく、してほしい行動を一つだけ伝える
  3. 終わりの時間を5分前に予告する
  4. できたことを一つ具体的に伝える
  5. 怒りそうになったら一度その場を離れる
  6. 家族で守るルールを紙に書く
  7. 寝る前だけは叱るより安心できる会話を優先する

親子関係は、1日で大きく変わるものではありません。

でも、声かけが少し変わるだけで、子どもの反応が変わることがあります。

毎回うまくいかなくても大丈夫です。

叱り方を完璧にするより、親子で戻ってこられる関係を作ることを大切にしましょう。

参考記事・出典

まとめ

子どもが言うことを聞かない時、親はつい叱り方を強めたくなります。

しかし、強く叱るだけでは、同じことが繰り返される場合があります。

大切なのは、子どもがなぜ動けないのかを見て、伝え方と環境を整えることです。

「ちゃんとして」ではなく、してほしい行動を具体的に伝える。

「今すぐやりなさい」ではなく、選択肢や予告を使う。

「何回言ったら分かるの」ではなく、どうすれば次にできるかを一緒に考える。

もちろん、親もいつも冷静ではいられません。

怒鳴ってしまった後に修復することも、親子関係では大切な経験です。

子どもが言うことを聞かない時の対応は、子どもを思い通りに動かすことではなく、親子でよりよい行動を作っていくことです。

叱り方だけに頼らず、声かけ、ルール、環境、相談先を組み合わせて、家庭に合う方法を見つけていきましょう。

この記事の振り返りFAQ

子どもが言うことを聞かない時、まず何をすればよいですか?

まずは「聞いていない」のか「分かっていない」のか「分かっているけれど動けない」のかを確認しましょう。そのうえで、短く具体的に次の行動を伝えることが大切です。

子どもに言ってはいけない声かけはありますか?

「何回言ったら分かるの」「そんな子は知らない」「お兄ちゃんはできるのに」など、人格否定や比較につながる言葉は避けましょう。子どもを責めるより、次に何をすればよいかを伝えることが大切です。

叱っても同じことを繰り返す時はどうすればよいですか?

叱り方を強くするより、ルールや環境を見直しましょう。ゲーム終了の5分前に声をかける、片付け場所を分かりやすくするなど、子どもが動きやすい仕組みを作ることが効果的です。

家庭ルールは親が決めるべきですか?

小学生以上であれば、親が一方的に決めるより、子どもと一緒に決める方が守りやすくなります。何をするか、いつするか、守れなかった時どうするかまで具体的に確認しましょう。

怒鳴ってしまった後はどうすればよいですか?

親が落ち着いてから、「大きな声を出してごめんね」「伝えたかったのはこれだったよ」と短く伝え直しましょう。親が謝ることは、関係を修復する大切な行動です。

家庭だけで解決できない時はどこに相談すればよいですか?

学校の先生、スクールカウンセラー、自治体の子育て相談、児童相談所、医療機関などに相談できます。子どもを傷つけてしまいそうで不安な時は、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」も利用できます。

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